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池坊のいけばなについて

正式には華道家元池坊という名称で呼ばれ、内外に最も門弟を有する華道の家元です。家元本部は、いけばな発祥の地として京都中京区の紫雲山頂法寺にあります。また、その歴史は室町時代より五百五十年以上続き、伝統と現代性の両輪で常に華道界を牽引しています。そのいけばなは世界を魅了し、海外にも多く門弟を増やしています。

詳細は華道家元池坊公式ホームページへ

https://www.ikenobo.jp

池坊の花形

現在、池坊には「立花(リッカ)」「生花(ショウカ)」「自由花(ジユウカ)」の三つの花形があります。それぞれ、表現目的と手法が違うため、学ぶには一定のカリキュラムを通して習熟していきます。先ずは約束事の殆どない自由花からスタートして花材を見る目を養っていただき、華道免許を取得しながら、いけ方のある生花、そして池坊を代表する立花へと表現と知識を広げて参ります。この教室では、もちろん全ての花形が学べ、正式な華道免許も取得出来ます。

立て花

「立て花」は、立花様式が成立する前の室町時代、15世紀から16世紀ごろのいけばなの呼称です。
当時の伝書や日記等には「花を立つ(立て花)」という表現が多く見られ、こうした行為、もしくは花を瓶に立てたものを「立て花」と呼んでました。
その構成は、器の中央に高く立てる本木(もとき)(真・心・身)と、水際付近の下草を基本としながら構成されています。

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立て花

三具足の花

三具足は、花瓶・香炉・蝋台からなり、本来は仏前の莊厳具であったものが、室町時代に座敷飾りの道具として用いられるようになった。
16世紀前半に著された花伝書『専応口伝』の本文の冒頭に「三具足の花」の条文があり、花の高さは器の一倍半から二倍とされる。

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三具足の花

立花

立花は、池坊いけばなの中で初めに様式が整えられた花形です。中心となって高く立つ“真(または本木)”と、その足元を添える“下草”で構成され、仏前供花や座敷飾りに用いられた「立て花」から発展しました。

立花は木を山、草を水の象徴として一瓶の中に自然の景観美、さらにはこの世の森羅万象を表します。

安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した、初代と二代池坊専好により「立花」の様式が整えられました。今日では伝統的な型を持つ「立花正風体」と、二十一世紀の日本の住空間や人々の感性に相応しい様式として誕生した、既成の型を持たない「立花新風体」の2つの立花があります。

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立花正風体

立花は時代が下がるにつれ、大型化、複雑化するなど変化がみられようになりました。
そこで明治時代に、規範として定められたなが立花正風体です。
池坊の伝統的な美感と七つあるいは九つの役枝からなる構造を基本とし、草木の出生(しゅっしょう=生来の特徴)にならって構成されます。また複雑で多彩な構成により、自然の面影や草木の風格を表します。

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立花新風体

現代の空間に応じた立花として平成11年(1999)、当代家元池坊専永が発表。
型にとらわなず、草木の動きを生かして構成されます。型の美ではなく、表現内容を重視した立花の新しい様式で、伝統的な美感と構造を基本としつつ、花材の伸びやかさ、新鮮さ艶やかさを備えます。
また、様々な花材を用い、意外性や対照効果のある取り合わせにより、明るさ、鋭さ、際立ちなどの美を表現します。

立花

生花

池坊の生花は草木の自然と出生(しゅっしょう)に注目します。自然とは、草木に共通する性質、例えば光に向かって枝葉を伸ばし、環境に応じて生育する姿を指します。また出生とは、草木が持つ生来からの特徴、いわば個性のことを指し、草木が懸命に生ける様々な姿に美を見出します。

生花も立花と同様に正風体と新風体、2つがあります。

正風体は真.副.体と呼れる三つの役枝で構成されます。三つの役枝が互いに呼応し、水際から直ぐやかに伸びたつ姿に、草木に備わる出生美を見ることができます。

新風体は現代の暮らしに適応する新たな生花として、1977年に当代家元の池坊専永により発表されました。

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生花正風体

明治12年(1879)、いけばなは女学校で教えられるようになり、それに伴って、教えやすく学びやすい花形として、「生花正風体」が制定されました。
真(しん)・副(そえ)・体(たい)と呼ばれる三つの役枝で構成されます。三つの役枝がお互いに呼応し、水際からすぐやかに伸びたつ姿に、草木に備わる出生(しゅっしょう)美を見ることができます。

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生花新風体

現代の暮らしに適応する新たな生花として昭和52年(1977)、当代家元の池坊専永により発表されました。
池坊の伝統的な美意識を背景に、色・形・質感や、葉の伸びやかさや枝のはずみなど、草木を多角的に見つめ、様々な美を見出します。従来の生花正風体の型には収まりきらない草木の出生美を表します。

生花

自由花

池坊の自由花は定まった型はなく、草木の形状や質感にも目を向けながら文字通り自由に生けることができ、幅広い表現が可能な様式です。あらゆる空間・シチュエーションに合ういけばなとして、人気を博しています。

定まった型を持たず、また植物以外の素材を用いたりすることから、池坊の様式の中でも特にデザイン性が高く、作者の意図と個性が反映されやすい様式です。

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自由花
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